第2章 第4話 『遠い所へ』の付録です


話せない自分の事を知っている人がいるときには、なかなか自分を出せないものです。

近所を歩くときに、周りに誰かいるかキョロキョロ確認していることはないですか?



遠く離れれば離れるほど、自分を知っている人と会わない安心感からか、リラックスしていく子どももいるかと思います。

うちも そうでした。

高速に乗って出掛けると、本当に遠くに来たんだと、嬉しそうでした。

そういう環境だと、少し難しいことも挑戦しよう!という気持ちになりやすいようです。



なっちゃんにとって、このプールのすべり台は、小さな挑戦でした。

この小さな挑戦は、近くのお友達がいそうな近所のプールでは、できなかったかもしれません。

ひとつの挑戦が成功し、何度も何度もすべり台をすべっていくうちに

次は、長いスライダーも出来るかも知れない、と思い始めます。


安心の場所で、たくさんの成功体験を積むことにより、自己肯定感を獲得していきます。


そして場所を少しずつ変えていきます。

最終の場所は、学校の教室になります。



今回の絵本の中で、なっちゃんは、すべりだいをすべるときに、からだが一瞬ふわっと浮く不思議な感じを初めて体験しました。

おかあさんにその感覚を伝えたい!

でも、経験していない人に、そのことを伝えるのはむずかしいです。

すぐ隣で、みほちゃんが「そうそう!わたしも・・・」と言ってくれて、この時のなっちゃんは、とても嬉しかったと思います。

同じ時間に同じ体験をして、わかってくれる人がいる!

大切な人と一緒に共有できた喜びは、本当に嬉しいものだと思います。



                                                      2008年8月1日 はは

続きの第5話『夜の花火』へ

トップページへもどる     絵本の目次にもどる