第4章 第21話 おへんじできた!の付録です


今回のお話も、私の実体験を描きました。

息子が2年生になって初めて声が出た日、

息子は学校から帰って、いつものようにランドセルを玄関に置いてすぐに

お友達の家に遊びに行ってしまいました。

私は、いつものように息子のランドセルの中から連絡帳を取りだして、チェックしました。

連絡帳には、こう書いてありました。


「今日の国語の時間に夏休みの事の発表練習をグループ内でしていました。

『先生、○君、全部聞こえたよ。』と、グループ内のお友達が嬉しそうに報告してくれました。

小さい声でちょっとずつだったようですが、〜以下省略〜


私は、なっちゃんのおかあさんのように

その場にペタリと座り込んでしまいました。

そして今までの感情が一気に吹き出して

声を出して泣いてしまいました。

と、その時、息子が家に戻ってきました。

おそらく「おかあさんに報告しないと!」と急に思い出して、戻ってきたのでしょう。

息子は泣き顔の私を見て、特に驚くようなこともなく、私をいたわるようにこう言いました。

「おかあさん、発表が出来たよ。連絡帳にも書いてあったやろ?

おかあさん、もう大丈夫だからね。」
と。


息子は穏やかなやさしい表情でした。

こんな大人みたいな息子ははじめて見ました。

この時私はぺたりと座っていて、息子は立っていて、私の目線よりも上に息子はいました。

ああ、頼もしいと思いました。

この時の嬉しい感覚を形にしたものが、これです。↓



この写真ご存じの方もいらっしゃると思います。

子どもの位置をおかあさんよりも上にしました。

KnetのQ&Aの本の表紙では、高い柵の向こうを見ているだけでした。

でも支援者向けのリーフレットの表紙の写真では、お友達と一緒に柵に手をかけ、

そして保護者向けのリーフレットの写真では

高い柵を自分で乗り越えようとしています。

おかあさんに後ろからやさしく見守られながら。


今回のお話は、最後に

おかあさんは なによりも なっちゃんのこころの成長を うれしくかんじました。

と結んでいます。

どうか「返事ができた」「できない」 「話した」「話せない」の表面に出ている所だけに注目せず、

子どもの内面の部分(心の中)を、全身で感じ取ってほしいと思います。



次回はいよいよ最終章に入ります。

 第1章  楽しい活動をたくさんしましょう

第2章  いろんな所へ出かけましょう

第3章  学校へ行きましょう

第4章 くりかえし練習しましょう

そして第5章(最終章)は 「未来へつなげましょう」です。

なっちゃんといっしょにの連載は、あと3回で終わる予定です。

                                           2010年1月1日  はは


次回は 第5章 未来へつなげましょう

 第22話 「なっちゃん年表」 2月更新予定です。 



                                             

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